給湯分野は家庭内で消費しているエネルギーの中で大きな割合を占めています。2021年に発表された「2030年度におけるエネルギー需要の見通し」では2050年のカーボンニュートラルにむけて、「徹底した省エネルギー(節電)の推進により、2030年度の電力需要を8,640億kWh程度、総発電電力量を9,340億kWh程度に抑えます。」とされており、これを達成することを目的に『給湯省エネ事業』が開始されました。
経済産業省『2030年度におけるエネルギー需要の見通し(参考資料)』
https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/opinion/data/03.pdf
本記事では、自宅の給湯器が古くなってきた、地球環境にいい住宅にしたいという方に向けて、補助金の内容から申請方法など実際に利用していただくためのガイドラインとなるように解説していきます。
経済産業省『令和4年度補正「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」について』
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/kyutokidonyu/kyutodonyuhojo.html
給湯省エネ事業とは
『給湯省エネ事業』の正式名称は「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」といいます。エネルギー消費の大きい給湯分野のエネルギー効率を向上さえるための補助金となっていますが、ご家庭にとっては、「エネルギー消費=毎月の出費」が抑えられることになります。導入費用をできるだけ安く抑え、高効率なものを導入すれば、数年で元が取れ、さらに年数を経てば貯金ができるリフォームにいえます。
さらに、今年度は3省が共同で同時申請が可能となった補助金もあり、この『給湯省エネ事業』も同時申請が可能な補助金の1つとなっています。これにより申請がかなり手軽になっています。
補助対象
戸建や集合住宅などは関係なく、高効率給湯器を設置する場合に対象となります。
給湯器を設置する住宅によって申請ができる補助対象者が変わってきます。以下の表をご覧ください。
補助対象者 | |
---|---|
新築注文住宅 | 住宅の建築主 |
新築分譲住宅 | 住宅の購入者 |
既存住宅リフォーム | 工事の発注者 |
補助額
導入する給湯器に応じて補助額が定額で決められています。
給湯器の種類 | 補助額 | 上限 |
---|---|---|
家庭用燃料電池(エネファーム) | 1台につき15万円 | 戸建住宅:2台まで 集合住宅等:1台まで |
ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器 (ハイブリッド式) | 1台につき5万円 | |
ヒートポンプ給湯器 (エコキュート) | 1台につき5万円 |
対象期間
契約期間 | 2022年11月8日〜遅くとも2023年12月31日 ※予算に達すると終了 |
着工期間 | 事業者登録完了以降 ※事業者登録が必要な事業者は以下手続き代行者の表にて |
交付申請期間 | 2023年3月下旬~遅くとも2023年12月31日 ※予算に達すると終了 |
手続代行者
<設置する住宅ごとの手続代行者>
設置する住宅 | 契約の種類 | 手続代行者 |
---|---|---|
新築注文住宅 | 工事請負契約 | 建築事業者 |
新築分譲住宅 | 不動産売買契約 | 販売事業者 |
既存住宅のリフォーム | 工事請負契約 | 施工業者 |
手続代行者は着工までに事業者登録をおこなっておく必要があります。着工までに事業者登録が終わっているか確認しておきましょう。
他の補助金との併用は?
補助金は通常併用することはできませんが、今回のエコ窓は3省連携されていますので併用可能な補助金があります。今後も増えていく可能性がありますが、現段階で代表的に二つの補助金を紹介します。
窓からエコ
正式名称は「住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業」(以下 エコ窓)となっており、経産省と環境省共同で進めている事業で、最も断熱効果の低い窓部分のサッシやガラスの断熱性能を高めるための工事が対象となります。補助額は定額となっていますが、おおむね1/2程に設定されており、物によってはそれを超える補助金を受け取ることも可能になりそうです。窓の部分断熱した場合の省エネ効果も高く2023年最も人気がでるであろう補助制度です。
対象 | 断熱効果の高いサッシやガラス |
---|---|
補助額 | 工事内容に応じて定額 |
最大補助金額 | 1戸あたり200万円 |
補助対象期間 | 2022年11月8日から2023年12月31日までに工事請負契約を締結したもの |
こどもエコ住まい
正式名称は「こどもエコ住まい支援事業」といいます。2022年には「こどもみらい住宅支援事業」とほぼ同じ制度で、誰でも使えて、対象となるリフォームの種類がとても多いことが特徴で、公募期間終了予定日よりもかなり早く予算が達成し終了するほど人気の高い補助金でした。
対象 | 必須 | ①窓・ドアの断熱改修 ②外壁・屋根・天井・床の断熱改修 ③エコ住宅設備 |
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任意 | ④子育て対応改修 ⑤バリアフリー改修 ⑥空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 ⑦耐震改修 ⑧リフォーム瑕疵保険への加入 | |
補助額 | 工事内容に応じて定額 | |
最大補助金額 | 通常 30万円 子育て世帯又は若者夫婦世帯+15万円 安心R住宅購入+15万円 | |
公付申請期限 | 遅くとも2023年12末まで |
お得にリフォーム
リフォームをするなら補助金はせっかくなので活用してみてください。またこの補助金は省エネ性能がかなり上がる工事が対象となっていますので、ランニングコストも大幅に下げることが可能となっています。そのため、長い目でみれば元が取れるようなリフォームにできる場合もございます。補助金の予算が残っているうちに是非ご検討ください!