地震によって大きな揺れが起きたあと、「火災」が発生するケースが少なくありません。
その多くは、揺れそのものではなく、**停電が復旧した際に起こる“通電火災”**が原因です。

感震ブレーカーは、そんな通電火災から建物と命を守るための防災装置。
もしものとき、あなたに代わって“自動で電気を止めてくれる”心強い味方です。


地震で起きる“通電火災”とは?

地震で停電したあと、しばらくして電力が復旧すると、
壊れた家電や倒れた暖房器具などに再び電流が流れ、火花や発熱から火災が発生します。
これが「通電火災」です。

阪神・淡路大震災や東日本大震災では、地震後に通電火災で多くの家屋が焼失しました。
実際、消防庁の調査では「地震による火災の約6割が通電火災によるもの」ともいわれています。

マンションでも一戸建てでも、このリスクは同じです。
特に「人がいない時間帯」に発生すると、初期消火が間に合わず被害が拡大する危険があります。


感震ブレーカーとは?仕組みと設置方法

感震ブレーカーは、地震の揺れ(震度5前後)を感知すると、自動的に電気を遮断する装置です。
停電中に建物が損傷していても、再通電による火災を防げます。

感震ブレーカーの種類

  • 分電盤タイプ:建物全体の電気をまとめて遮断(最も確実)
  • コンセントタイプ:特定の家電や部屋だけを遮断
  • 簡易タイプ:既存ブレーカーに後付けできる簡易構造(導入が手軽)

マンションの場合は共用部やメーターボックス内への設置、
一戸建てでは分電盤の交換やコンセント型の取り付けが主流です。
既存の設備にも後付けできるため、古い建物でも導入が可能です。


マンションオーナー・一戸建てオーナーが導入するメリット

マンションオーナーの場合

  • 入居者の安全確保と信頼向上
  • 防災対策済み物件としてのブランド価値アップ
  • 共用部火災リスクの低減・損害保険リスク軽減

防災意識の高い入居者が増えている今、「安全に配慮した物件」は選ばれる理由になります。
感震ブレーカーの導入は、入居率アップや長期入居にもつながる投資です。

一戸建ての家主の場合

  • 家族の安全を守れる安心感
  • 外出中・旅行中でも自動遮断で火災を防止
  • 火災保険の割引対象になるケースもあり、長期的なコスト削減に

「地震が起きたとき、家にいなかったら…」という不安を解消し、
自宅の防災力を一段上げられる装置です。


感震ブレーカーの設置費用と補助金活用

設置にかかる費用はタイプによって異なります。

  • 簡易タイプ:5,000円〜15,000円前後
  • 分電盤交換タイプ:50,000円〜100,000円前後(工事費込み)

自治体によっては、設置費用の1/2〜2/3を補助する制度があります。
(例:大阪府・堺市・高槻市など)
補助金制度は年度ごとに公募されるため、最新情報を確認することが重要です。

補助金を活用すれば、実質負担を半分以下に抑えることも可能。
費用面で導入を迷っていた方にもおすすめです。


感震ブレーカー導入の流れと注意点

ステップ
  1. 現地調査・分電盤の確認
     建物の構造や配線を確認して、適切なタイプを選定します。
  2. 見積・補助金申請
     補助金を利用する場合は、事前に申請が必要です。
  3. 設置工事(約1〜2時間)
     分電盤タイプは電気工事士が施工。簡易タイプは短時間で取り付け可能。
  4. 定期点検・作動確認
     地震のたびに自動遮断が正常に作動するか確認します。

マンションでは、共用部設置時に管理組合への承認が必要になる場合もあるため、
事前に相談しておくとスムーズです。


まとめ|“いざという時”に動くのはあなたじゃない、ブレーカーです。

地震はいつ起こるか分かりません。
その瞬間、あなたがいなくても、感震ブレーカーが自動で建物と命を守ってくれます。

  • 火災を未然に防ぐ「最も簡単な防災」
  • 補助金で導入負担を減らせる「賢い選択」
  • 入居者や家族に安心を届ける「信頼の証」

いざというときの備えは、今だからこそ始められることです。
まずは、「うちの建物でも設置できるのか?」を気軽に相談してみましょう。


弊社では、マンション・戸建て問わず、感震ブレーカーの導入や補助金申請サポートを行っています。
建物の規模や構造に応じた最適なプランをご提案いたします。