昭和期に建てられた建物には、吹付けアスベストが使われていることがあります。アスベストは飛散すると健康被害を引き起こす可能性があり、老朽化した建物では特に注意が必要です。改修や解体の際にアスベストが飛び散るリスクがあるため、事前に除去・封じ込めなどの対策を講じる必要があります。

さらに、法改正により、一定規模以上の解体や改修を行う際には、アスベストの使用有無について事前調査を行い、結果を届け出ることが義務化されています。知らずに解体したでは済まされない時代になっており、違反すると罰則が科されるケースもあります。こうした背景からも、今やアスベスト対策は避けて通れない課題です。

とはいえ、「アスベスト除去は高額で手が出ない」と感じている方も多いでしょう。そこで活用してほしいのが、大阪市が実施している「民間建築物吹付けアスベスト除去等補助制度」です。本記事では、この制度の内容をわかりやすく解説します。令和7年度も継続される可能性があるため、今のうちから準備を進めておきましょう。

令和6年度のアスベスト除去補助制度の内容【大阪市の場合】

制度の概要

大阪市が民間所有の建築物を対象に実施している補助制度です。吹付けアスベストの「除去」「封じ込め」「囲い込み」工事に対して、費用の一部が補助されます。

対象となる建物

  • 昭和50年(1975年)以前に建築された建物
  • 民間所有の建築物(住宅・マンション・店舗・工場・倉庫など)
  • 吹付けアスベストが使用されていることが確認されているもの

補助内容と金額

  • 調査費用:上限50万円(対象経費の1/2以内)
  • 除去等工事費用:上限500万円(対象経費の1/2以内)
  • 調査・診断・分析を行う専門家の費用も補助対象です。

注意点と申請時の条件

  • 工事前に申請が必要です(工事着手後は対象外)。
  • 所定のアスベスト含有建材が対象となります。
  • アスベスト使用状況確認の調査、設計費用なども対象になる場合があります。

他の近畿圏自治体の例(令和6年度実績)

兵庫県・神戸市

老朽化した建築物を対象に、アスベスト除去工事への補助制度があります。制度の詳細は年度ごとに変動するため、最新の情報を確認することが重要です。事前相談が必須となっているケースもあります。

京都府・京都市

公共性の高い建物(事業用施設等)を対象に除去工事費の一部を支援。補助率や上限額は工事の内容や建物の用途によって異なります。こちらも最新の発表に注意が必要です。

令和7年度も補助制度は継続されるのか?

アスベスト対策は国の「石綿総合対策」や「健康被害防止対策」の一環として位置づけられており、各自治体でも継続的に対応が進められています。大阪市もこれまで複数年にわたって補助制度を実施してきた実績があり、令和7年度も公募される可能性は高いと見られています。

ただし、補助内容や条件、公募時期は年度によって変わるため、定期的に公式情報を確認することが大切です。

補助金を使うために今からできる準備

  • 建物の図面や施工履歴を確認し、アスベストの使用が疑われる箇所を洗い出す
  • 専門業者に相談して、簡易的な調査や見積もりを取得する
  • 必要書類や補助申請の流れを早めに把握しておく

調査から申請、工事までを一括でサポートしてくれる専門業者に依頼することで、手間やリスクを最小限に抑えることができます。

まとめ|アスベスト除去のチャンスを逃さないために

アスベスト除去補助制度は、毎年公募期間が限られており、予算枠も早期に埋まることがあります。そのため、早めの準備が何よりも重要です。

健康被害のリスクや建物の資産価値低下を防ぐためにも、補助制度を活用してアスベスト除去を検討するのは今がチャンスです。

「アスベストの補助金制度や調査・工事の流れについて知りたい方は、ぜひ弊社にご相談ください」