普段から民泊や宿泊事業を運営している方にとって、補助金を活用して施設をより魅力的に整備できるのは大きなチャンスです。
しかし、大阪府が実施している民泊関連の補助金は 「宿泊施設向け」「特区民泊向け」「新法民泊向け」 の3種類があり、対象者や対象設備に違いがあるため注意が必要です。
この記事では、それぞれの補助金制度を比較し、どの制度を活用できるかを分かりやすく解説します。
補助金制度の概要と対象者の違い

補助金制度名 | 対象施設・対象者 |
---|---|
宿泊施設向け補助金 | 大阪府内のホテル・旅館・簡易宿所など、旅館業法の許可を受けた事業者 |
特区民泊向け補助金 | 国家戦略特区民泊の認定を受けている、または認定予定の事業者 |
新法民泊向け補助金 | 住宅宿泊事業法に基づき届出をしている、または届出予定の事業者 |
補助対象設備の違い

3つの補助金で対象となる設備の違いをまとめました。
いずれも「利用者の利便性向上」「インバウンド対応」「防災・安全対策」がポイントです。
宿泊施設向け | インバウンド受入対応に係る事業 ・施設の案内表示、室内設備の利用案内等の多言語対応 ・パンフレット、ホームページ等の広報物の多言語対応 ・オペレーターの導入又はタブレット端末等の多言語補助機器の整備 ・館内及び客室内のテレビの国際放送設備の整備 ・インバウンド受入対応に係る人材育成(研修等) ・パスポートリーダーの整備 ・ムスリム旅行者受入に係る礼拝環境の整備(礼拝マット、キブラコンパス、衝立、足洗い場の整備) 宿泊客の利便性や満足度向上に係る事業 ・館内及び客室内におけるWi-Fi整備 ・館内及び客室内のトイレの洋式化、洋式トイレの増設 ・キャッシュレス決済端末の導入 ・施設の案内表示や室内設備の利用案内等の点字対応、音声案内などのユニバーサルデザイン化 ・ペットツーリズムに係る受入環境整備(ケージ、ペット専用ダストボックス、ドッグランの整備) ・スーツケース等の輸送・一時預かりに係る受入環境の整備及びシステムの導入 ・共用スペースにおける子ども連れ環境の整備(授乳室、おむつ交換台、キッズスペース) 災害時対応に係る事業 ・災害情報及び避難誘導に関する情報の多言語、視覚化対応 ・災害情報等伝達設備、機器の導入 ・非常用電源装置、情報端末への電源供給機器の導入 デジタル技術を活用した生産性向上や業務効率化に係る事業 ・宿泊予約システム・ホテル管理システム(PMS)等の導入 ・チャットボット・24時間AIコンシェルジュ等の導入 ・受付・案内・清掃・運搬等のロボットの導入 ・セルフチェックイン・セルフチェックアウト機、自動精算機の設置 ・生体認証やモバイル端末によるキーレスシステムの整備 その他 ・知事が受入対応の強化のために必要と認める事業 |
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特区民泊向け | インバウンド受入対応に係る事業 ・施設の案内表示、室内設備の利用案内等の多言語対応 ・パンフレット、ホームページ等の広報物の多言語対応 ・ムスリム旅行者受入に係る礼拝環境の整備(礼拝マット、キブラコンパス、衝立、足洗い場の整備) 宿泊客の利便性や満足度向上に係る事業 ・居室内のWi-Fi整備 ・キャッシュレス決済端末の導入 ・ペットツーリズムに係る受入環境整備(ケージ、ペット専用ダストボックス、ドッグランの整備) 特定認定の取得に係る事業 ※認定予定者に限る ・消防設備、建築基準法上の整備(自動火災報知設備、誘導灯、スプリンクラー設備、非常用照明器具、防火用間仕切壁の整備) 災害時対応に係る事業 ・災害情報及び避難誘導に関する情報の多言語、視覚化対応 ・災害情報等伝達設備、機器の導入 ・非常用電源装置、情報端末への電源供給機器の導入 デジタル技術を活用した生産性向上や業務効率化に係る事業 ・生体認証やモバイル端末によるキーレスシステムの整備 その他 ・知事が受入対応の強化のために必要と認める事業 |
新法民泊向け | インバウンド受入対応に係る事業 ・施設の案内表示、室内設備の利用案内等の多言語対応 ・パンフレット、ホームページ等の広報物の多言語対応 ・ムスリム旅行者受入に係る礼拝環境の整備(礼拝マット、キブラコンパス、衝立、足洗い場の整備) 宿泊客の利便性や満足度向上に係る事業 ・キャッシュレス決済端末の導入 ・ペットツーリズムに係る受入環境整備(ケージ、ペット専用ダストボックス、ドッグランの整備) 災害時対応に係る事業 ・災害情報及び避難誘導に関する情報の多言語、視覚化対応 ・災害情報等伝達設備、機器の導入 ・非常用電源装置、情報端末への電源供給機器の導入 デジタル技術を活用した生産性向上や業務効率化に係る事業 ・生体認証やモバイル端末によるキーレスシステムの整備 その他 ・知事が受入対応の強化のために必要と認める事業 |
補助率・補助上限額(共通)

- 補助率:補助対象経費の 2分の1以内
- 補助上限額:1施設あたり40万円
💡補足:「1施設」とは、届出番号や認定番号ごとに1施設という意味です。複数の施設を運営していても、補助対象は1件に限られる点にご注意ください。
申請期間と申請方法

- 申請期間:令和7年7月8日(月)~令和8年2月28日(金)
- 申請方法:大阪府行政オンラインシステムからのオンライン申請
必要書類一覧
書類名 | 宿泊施設向け | 特区民泊向け | 新法民泊向け |
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交付申請書(様式第1号) | ○ | ○ | ○ |
補助対象経費の見積書 | ○ | ○ | ○ |
許可・認定・届出関連書類 | 旅館業許可証 | 特区民泊認定証 | 新法民泊届出 番号通知書 |
設備仕様書・図面・写真 | ○ | ○ | ○ |
暴力団排除関連申立書 | ○ | ○ | ○ |
実績報告書・補助金請求書(事業完了後提出) | ○ | ○ | ○ |
公式情報リンク
【宿泊施設(ホテル・旅館、簡易宿所)で事業を行う方】
令和7年度 大阪府宿泊施設の環境整備促進事業<補助金>
【特区民泊施設(認定取得予定者含む)で事業を行う方】
令和7年度 大阪府特区民泊施設の環境整備促進事業<補助金>
【新法民泊施設(届出予定者含む)で事業を行う方】
令和7年度 大阪府新法民泊施設の環境整備促進事業<補助金>
まとめ|迷ったらまずはご相談ください
大阪府の民泊関連補助金は、制度ごとに対象者や対象設備が異なります。
「自分の施設はどの補助金に当てはまるのか」「どの設備なら対象になるのか」と迷う方も多いでしょう。
弊社では、補助金申請から工事・設備導入までトータルでサポート可能です。
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