2020年ごろから建築資材を含めた市場でこれまでに無いような混乱がおこっています。リフォームなどの建築現場でも価格の変動がはじまり仕入れ価格が大幅に上昇、以前のような価格で営業できない企業が増えています。

ではなぜこのような事態になってしまっているのでしょうか?その原因と対策方法を考えていきましょう。

コロナによる供給の混乱

最初に起こったのはコロナ禍によって人が働けなくなったことで発生した、生産ラインの停止や素材の供給不足です。その中でも影響が大きかったのは半導体供給量の大幅な減少でした。

半導体は電気をよく通す金属などの「導体」と電気を全く通さない「絶縁体」の中間の性質をもつシリコンなどの物質や材料のことです。半導体は情報の記憶や数値計算や論理演算などの知的な情報処理機能をもっており、多くの電子機器の頭脳として中心的な役割を果たしています。

その半道体が不足したことにより、建築現場でも電子的な処理機能を持つたくさんの機器の生産がとまり、その中でも給湯器は日本中からなくなるほどの生産ストップが発生、世の中の販売価格が跳ね上がりました。

弊社では不足期間に入る前から多くの在庫を持っており、さらに追加発注をするなどして、他店が倍以上の金額をつけて販売している中、これまでとほとんど変わらない金額で提供することができました。

半導体以外にも営業自粛などの影響で工場ラインなどで作られるさまざまな機械や木材や液剤にまで影響が広がり、さらに、テレワークや住宅ローンの歴史的低金利を背景に住宅着工戸数が急増したことにより、アメリカからの輸入木材の供給が減り、これに合わせ代替需要で希少になった国産材と併せて価格が急上昇しました。

戦争による燃料不足

いまだに収束が見えないロシアによるウクライナ侵攻により燃料価格が高騰しました。ロシアは天然ガス産出国で世界2位、石油産出国でも世界3位となっており、世界でもトップクラスの燃料資源に恵まれた国です。これにより、多くの国の燃料需給に影響を与え、影響がすくないとされていた日本でも天然ガスや石炭では10%近くをロシアから輸入しており、2022年3月には大手電力会社の電気代が過去5年間でもっとも高くなりました。

参照:chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/049_03_02.pdf

他にも配送や農業機械など燃料費の高騰で価格を上げている商品が増えており、現在の価格を保てている商品もいつ高くなるかわからない状況です。

円安による輸入品の高騰

参照:https://www.bk.mufg.jp/tameru/gaika/realtime/chart.html

コロナや戦争の影響で混乱が続く中、為替レートにも大きな変動が発生しています。2022年3月ごろから急激な円安傾向となり、同年6月13日で1ドル=135円台前半、1998年以来の円安水準となりました。アメリカの金融引き締めによるドル高、日本の金融緩和による円安が原因と言われており、専門家の間では明確な理由がある今回の円安はそこまで危機感を持つ内容ではないと考えているようです。

参照:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/na/18/00009/052000076/

それでは、建築資材の影響はどうなっているのでしょうか?円安だけを見れば輸入品の全てが影響を受けるといえますが、コロナ禍や戦争ともあわさり特に高騰が予想されているのが合板・鉄鋼・電線・光ファイバー・生コンクリート・金属製品です。特に合板や鉄鋼は既に高騰が始まっており、その幅も大きくなっています。

リフォームは部材確定を早急に!

価格高騰の理由についてお話ししてきましたが、高くても買えるのであれば物によっても気にしない方もいらっしゃるかとおもいますが、リフォームの現場では1つの部材足りないだけでも大きく工期がずれ込む場合があります。

不足前・高騰前に発注する

海外製品や海外シェアが高いモノに関しては例外なく供給不足や価格高騰が考えられます。変動が始まる前に、商品を確定いただければ、すぐに発注作業に入らせていただいております。

既に供給不足が始まっている部材も多くありますが、既に上がっている部材は今後も上がっていく可能性が高いですので早めに発注することをおすすめします。「3ヶ月待ち」など明確な仕入時期が分かれば予定を立てやすいですが、「いつ入荷かわからない」という場合もあります。この場合は本当にどうなるかわからず、物によっては半年以上待つこともあり、逆に1月以内に届くこともありますので注意が必要です。

在庫品を使う

弊社では安いうちにそれなりの在庫を発注しています。実際に給湯器不足は在庫を多く持っていたことで被害は最小限で乗り切ることができました。他にもさまざまな工事で「よく使うモノ」は在庫を多く抱えています。在庫品を満足いただけるようであれば、できる工事から始めて、仕入れを待つことも可能で素早く工事をすることが可能で、高騰前の金額で提供可能です。ぜひご相談ください!

とにかく今はこれまでに無い規模の非常事態で「部材から早めは早めに発注をかけていく」しかありませんので工期や予算には多少の余裕をおもいただければと思います。

国や日建連の働きかけ

今回の価格変動はさまざまな要因が重なることでこれまで無い規模になってしまっており、4月26日には国土交通省から経団連に対し「労務費、原材料費、エネルギーコスト等の取引価格を反映した適正な請負代金の設定や適正な工期の確保について」の周知要請がおこなわれました。さらに、4月27日には日本建設業連合会(日建連)から経団連に「建設資材高騰・品不足に係る協力要請」を申し入れ、経団連会員へ民間発注者に対する「直近の資材価格や調達状況を反映した価格・工期での契約締結」「民間建設工事標準請負契約約款を活用した契約締結」「既に締結された契約における資材高騰に伴う個別協議」についての協力等を求めています。

まとめ

これまでに無い規模での混乱が起こっており「いつ回復するのか」回復せずに「新たな着地点を見出す」のか、全く見通しが立っておりません。今後、金額面、供給面で何かしらの措置が発表されることも期待はしていますが、ゼネコンへの配慮で住宅リフォームへの恩恵は少ないものになるかもしれません。

ジェイジェイドリームでは「今できること」をやりますので倉庫スペースを拡大し、在庫数を増やして、できるだけお客様には建築資材混乱の影響を感じさせないようにと試行錯誤しています。また対策をとっていても、商品の到着が遅れてしまうことがあるかもしれませんのでご了承ください。

早めに相談し、早めに部材を確定し、早めに発注することが、お客様が『求めていること』だと考えておりますので、お気軽に、お早めに、ご連絡お待ちしております。

建築資材以外でも影響が大きく、みなさまの生活が日常に戻ることを願っております。

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