カーボンニュートラルとは
カーボンニュートラル(炭素中立)とは温室効果ガスをプラスマイナス0にすることで、カーボンニュートラルが実現された社会を「脱炭素社会」と呼びます。
温室効果ガス(GHG)とは
地球の大気圏に存在する、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンといった、赤外線を吸収・放出して地球を暖める気体の総称。中でも二酸化炭素がその大部分を占めています。温室効果ガスがあることで、地球は人間が生きていける温度に保たれています。ちなみに、自然界でもっとも豊富な温室効果ガスは水蒸気ですが、人為的な排出により大気中に増えるものではないので、上に挙げた温室効果ガスとは区別されます。
カーボンニュートラルは人間の活動によって排出される温室効果ガスに限定して考えられます。そして、それを吸収・除去できる量が決まっています。
排出量ー吸収量=0を目指しています。
排出量
2018年の温室効果ガス排出量は12.4億トンといわれています。
これを2050年に向けてできる限り0に近づけていく必要があります。
吸収・除去
自然の吸収量は一定ではなく、どんどん減ってしまう可能性があるため、植林などによって吸収する量を人為的にふやしていかなければなりません。
実現のために必要なこと
温室効果ガスの85%を占めているのが二酸化炭素です。
この二酸化炭素を対策することがもっとも大切な課題と言えます。
その具体的な取り組み方としては次のような物があります。
エネルギー消費量の削減 | エネルギー消費量そのものを減らしていく。節電や省エネ家電の利用のほか、建物の断熱、IoTによる最適化(人感センサーで電気や空調を自動で制御するシステムなど)といった、さまざまな方法がある。 |
電力部門の再エネへのシフト | 電力部門は、これまでの石炭・ガス・火力発電から、自然界に存在する太陽光、風力、水力、地熱などを利用した再生可能エネルギー(再エネ)による発電へと転換していく。再エネ以外にも、二酸化炭素を出さずに製造した水素やアンモニアを燃やす火力発電、原子力発電の利用も選択肢として議論されている。 |
非電力部門の電化/クリーンな燃料へのシ | 非電力部門では、まずはエネルギーを電化して、再エネでまかなっていく。航空機や高熱を利用する産業部門など、技術的に電化が難しい分野では、植物を原料とするバイオマス燃料や水素燃料、合成燃料といったクリーンな燃料へ切り替える。 |
植林やネガティブエミッション技術 | 上記の方法でもなお、技術面やコスト面で脱炭素化が難しい場合、人為的に二酸化炭素を大気から吸収・除去する。具体的には植林のほか、農法を工夫して農地の土壌に炭素を蓄える方法などがある。また、地中深く穴を掘って、高圧で二酸化炭素を注入して貯留する「CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)」を利用した“ネガティブエミッション”と呼ばれる技術の活用も検討されている。 |