和歌山県白浜町、椿温泉。 太平洋を望むこの静かな温泉地で、私は地域の活動に関わり始めて2年が経ちました。
良質な湯と、穏やかな時間。この場所には確かな魅力があります。しかし、その一方で、地域の方々と深く関われば関わるほど、避けては通れない「ある大きな課題」の存在を肌で感じてきました。
2年間の活動で耳にし続けた「あそこの廃旅館、なんとかならんかな」

「椿温泉の入口にあるあの建物、なんとかならんかな」 「あそこが変われば、椿はもっと良くなるはずなんやけど……」
椿温泉の玄関口にそびえ立つ、かつての大型旅館「椿楼(つばきろう)」。 長年時が止まったままのその巨大な建物は、かつての賑わいの象徴であると同時に、現在の地域の衰退を突きつける存在でもあります。
「目立つ場所にあるからこそ、なんとかしたい」 そんな切実な声を、私はこの2年間、何度も何度も聞いてきました。
だからこそ今、私たちは動き出します。この「椿楼」を負の遺産から、地域の未来を照らす希望へと変えるために。 これは、完成された事業の告知ではありません。「この場所をどうにかしたい」という想いだけで走り出した、等身大のプロジェクトへの招待状です。
なぜ今、「椿楼」なのか?

椿温泉エリアは現在、多くの宿泊施設が廃業し、かつての湯治場としての活力が失われつつあります。しかし、見方を変えれば「椿楼」という象徴的な遊休資産があることは、エリア再生にとって最大のポテンシャルでもあります。
この建物を再生することは、単に一軒の宿を復活させることではありません。 地域住民や事業者を巻き込み、椿温泉エリア全体のブランド価値を向上させる「エリアリノベーション」の起爆剤となると信じています。
目指す姿:新しい「湯治場」の再定義

私たちが掲げるコンセプトは、「集い、創造し、癒される。新しい湯治場コミュニティ」 です。
昔ながらの湯治場が持っていた「身体の癒し」に加え、現代に必要な2つの要素を掛け合わせます。
- 集い(交流):多様な人々が出会い、語り合う場
- 創造(文化・体験):アートや新しいビジネスが生まれる場
ただ泊まるだけの場所ではなく、訪れるたびに新しい発見や出会いがある。そんなコミュニティ拠点を、皆さんと一緒に創り上げたいのです。
再生へのロードマップ:まずは「賑わい」から

いきなり巨額の投資をして、ピカピカのホテルを作るわけではありません。身の丈に合った活動から始め、徐々に共感の輪を広げていく「段階的アプローチ」をとります。
【フェーズ1】動き出し、変化を見せる(短期)
まずは大きな工事をする前に、地域に「変化」と「賑わい」を生み出します。
- 週末マルシェ/キッチンカー: 駐車場スペースを活用し、地元の農産物やクラフト作品、人気キッチンカーを集めたイベントを開催します。初期投資を抑えつつ、人が集まる風景を作ります。
- アートプロジェクト/ライトアップ: 夜の暗い廃墟というイメージを払拭するため、壁面へのプロジェクションマッピングやライトアップを実施。若者やSNS世代にも届く、フォトジェニックな景観を創出します。
- 「椿温泉」足湯テラス: 誰でも無料で利用できる足湯を設置し、椿の最大に魅力である「お湯」を気軽に体験してもらいながら、滞在時間を延ばす仕掛けを作ります。
【フェーズ2】分散型ホテルとテーマ性のある街づくり(中長期)
フェーズ1で生まれた人の流れを基盤に、いよいよ本格的な事業化へ踏み出します。ここでのキーワードは「分散」と「テーマ性」です。
1. 椿楼内での「分散経営」
巨大な旅館を一社単独で運営するには莫大なリスクが伴います。そこで、フロアやエリアごとに異なる事業者がテナントとして入り、場所を借り分けて運営する「分散経営」のスタイルを導入します。 運営と出資が分散することで、大規模改修のハードルを下げ、営業再開へ大きく近づけることができます。現在、このビジョンに賛同し、出店や運営に関わっていただける企業様を広く募っています。
2. エリア全体への「分散型ホテル」展開
椿楼をフロントやレストランなどの「核(ハブ)」とし、周辺の空き家や空き店舗を客室として活用します。
- 地域全体への経済効果:宿泊客が町中を回遊することで、地域にお金が落ちる仕組みを作ります。
- 空き家問題の解決:遊休不動産を活用することで、地域の景観維持に貢献します。
- 投資リスクの分散:新築投資を抑え、既存ストックを活用することで持続可能性を高めます。
3. テーマ性のある温泉街の再生
再生にあたっては、「アートと温泉の街」「湯治とウェルネスの街」といった明確なコンセプトを設定します。 統一感のある街並みやサービスを展開することで、他の温泉地との差別化を図り、独自のブランドイメージを確立。一過性のブームではなく、持続可能な地域活性化を目指します。
まだ「白紙」だからこそ、あなたの力が必要です

正直にお伝えします。 このプロジェクトはまだ構想段階です。 現在、白浜町役場や商工会との連携協議を進め、補助金の活用などを模索し始めたばかりのスタートラインに立っています。
確約された予算も、完成された設計図もまだありません。 しかし、「なんとかしたい」という熱意と、実現に向けて動く覚悟だけはあります。
だからこそ、このプロジェクトには「仲間」が必要です。 提示した計画はあくまで一例です。「もっとこうしたら面白い」「自分ならこんなことができる」という、あなたのアイデアやスキルをぶつけてくれませんか?
▼こんな仲間を募集しています
- クリエイター・アーティスト:廃墟をキャンバスに、新しい景色を描ける方。
- 建築・リノベーションの専門家:建物の再生について専門的な知見を貸してくださる方。
- イベント企画・運営者:マルシェやワークショップで人を呼ぶのが得意な方。
- 地域の方・学生さん:一緒に掃除をしたり、イベントを手伝ってくれる方。
- ただただ、椿温泉が好きな方:応援の声ひとつが、私たちの力になります。
廃旅館「椿楼」という大きな課題を、地域一番のワクワクする資産へ。 答えのない問いに、一緒に向き合ってくれる方からのご連絡をお待ちしています。
まずは一度、現地でお話ししませんか?
